スタッフと一緒に第50回 東北腎不全研究会に参加してきました。
当院看護師長 阿部より学会活動で得た見識についての報告をもらいました。
当院の理念を理解した大変良い報告だと思いますのでこの場を借りて皆さまに共有させていただきたいと思います。
私もスタッフの熱意に負けぬよう、当院が医療・介護をつなぐ架け橋になれるよう引き続き革新に努めてまいります。
第50回 東北腎不全協会研究会学術集会
出席レポート 阿部 美和子
『トランジション(移行、変化という意味)』
という言葉が今回の学会の中のシンポジウムで胸に刻まれました。
高齢化が進んでいくこの時代、当然透析患者の高齢化も目立っていますが、対応するための手立ては今までよりも多くの人手を要し、多くの他職種、他機関の協力が必要と実感しました。まずはいかに導入期での「丁寧な説明」ができるかで患者様とそのご家族が安心して透析ライフを過ごせるのかが決まる…未来は図れませんが、予測できる疾患や家族の背景、家庭環境は少なからずイメージできるものもあると思います。まずは透析の選択から広げる必要もあるのではと考えました。
ここまで考えることに至った経緯は
当クリニックでも認知症患者様が増え、老老介護から介護困難という大きな壁に当たっているケースや認知症状の悪化が進行した先に透析が今まで通りにできるのか、という不安点も見えてきたためです。
今回のシンポジウムでは上記のようなケースが事例で上がっていたことから、問題の解決策に繋がると感じました。
患者様の状態とその背景から透析自体のトランジション、居住地のトランジション、透析から看取りへのトランジション…
世界で高齢化が進んでいる今、こう言った変化はこれから多くなっていくのが事実で、これに柔軟に対応するために、患者様の環境でいちばん近くにいる私たち看護師始め、医療者達は専門外の知識が必要と改めて実感しています。他職種と他機関との連携によって透析ライフを改めて安全に送れることに繋がる…そのためにも専門外の知識とその職種の理解もあれば連携が柔和に行えるのではないかと考えます。
あらゆるトランジションの機会がありますが、未来を見据えた終活ライフの話し合いの場も必須のため、日々の状態を見ながら場を設けるきっかけを作ることも看護師にとって大きな務めであると実感しています。
『患者さんを第一に、笑顔のある透析室を』という地域密着型クリニックである当院の理念が、高齢化がすすむ透析時代に強く共感できているものであると感じました。より一層細やかな看護観察が求められている、より良い看護を提供し続けられるように励んでいきたいと思います。